こんにちは!しょうこです^^
今回は、お茶好きの中でも人気の高い、黒茶(プーアル茶)についてご紹介します!
黒茶の基礎情報
黒茶とは?
中国でお茶は、発酵度に応じて大きく”6+1つ”に分けられます。
その中で”後発酵茶”として最後に分類されるのが黒茶です。
分類についてはこちらをご覧ください!
他のお茶は茶葉の自然な発酵を利用するのに対し、黒茶は微生物による発酵を促します。
微生物による発酵とは、納豆や味噌、醤油と同じイメージ。
茶葉や茶水は深い栗色で、黒茶独特の香りがあります。
一般的に、「黒茶=プーアル茶」と呼ばれますが、厳密には異なります。
「プーアル(普洱)」とは、雲南省の地名。
周辺で作られたお茶は一度プーアルに集められ、そこから全国に運ばれて行きました。
そのお茶のことを、「プーアル茶」と呼びます。
黒茶の製法(塾茶、生茶)
黒茶の作り方はこちら。
- 葉を摘む(摘採)
- 火入れをして発酵を止める(殺青)
- 揉んで葉の形を整え、細胞を壊して成分の抽出を促す(揉捻)
- 温度湿度を管理し、人工的に微生物発酵を促す(渥堆)
- 乾燥させる
緑茶と同じように摘んですぐに火入れをし、酸化酵素による発酵を止める。
その後、納豆や味噌のように、菌(微生物)をつけて発酵させます。
プーアル茶は発酵の仕方によって、さらに2種類に分類されます。
(プーアル以外の黒茶はこういう分け方はしません)
- 熟茶:温度湿度を管理して人工的に発酵を促している。時間短縮、生産量UP。独特の香りがある。
- 生茶:微生物付着後、手をかけずに自然の速度で発酵させる。時間がかかる。飲みやすい。
黒茶の効能
- 東洋医学的には温性です。※冷たい黒茶でも同じ。
- 体温を上げてくれるため、冷え性の方におすすめ。
- 胃の機能を高めてくれ、食欲がわかないときに効果的。
- 消化を助けてくれ、おなかの張りを軽減。
- 酵素により胃腸が整うことで便秘が解消される
- 動物性の脂肪分を分解するため肥満予防に
- 腸チフス菌の抗菌作用。
※発酵度が高いものはカフェイン量が少ないので、夜に飲むなら黒茶がおすすめ。
黒茶の種類
黒茶は熟茶、生茶のほかに、産地、形状など様々なものがあります!
その中で特徴的なものをご紹介♪
プーアル生茶(ぷーあるなまちゃ)
- プーアル生茶
- 産地:雲南省西双版納
- 微生物の自然の働きにより長期間かけて発酵させたもの(製法を参照)
- 年月の経過とともに味と香りに深みが増し、価値も上がる
- 独特な香りとまろやかな口当たり。熟茶と比べると癖は少なくさっぱりと飲むことができる
- 茶水の色は薄い栗色
- 日本での流通量は少ない
宮廷プーアル茶(きゅうていぷーあるちゃ)
- 宮廷プーアル茶
- 産地:雲南省普洱市思茅区
- 微生物付着後、人工的に温度湿度を管理した熟茶(2~3年)
- 独特な香りとまろやかな口当たり。コクが強い。
- 長年発酵させているため、かび臭さや土臭さがあるものは飲まない方がよい
- 固めていない「散茶」と言われるもの。新芽を使用している。
七子餅茶(ななこもちちゃ)
- 七子餅茶
- 産地:雲南省
- 熟茶
- 宮廷プーアルが散茶なのに対し、円盤状に固められた「餅茶」と言われる。
- 細い山道を馬に運ばせていた。バランスを保つため、1枚当たりの重量が決まっている。(357g)
- 七枚で1セット(「ラッキーセブン」の語源とも言われている)
- プーアル茶専用のナイフで必要な分だけ削り、使用する。
安茶(あんちゃ)
- 安茶
- 産地:安徽省祁門県
- プーアルを経由しない黒茶
- 世界三大紅茶の1つキーモン紅茶と同じ産地
- 戦争などの関係で一度生産者が途絶えてしまったが、近年、研究により復活した
- 熊笹を敷いた竹籠に包装した後で自然発酵させて作る。
- 青茶や紅茶に似たすっきり感がありとても飲みやすいが、他に似たものが無い特徴的なお茶。
黒茶は嫁入り道具だった
先ほど紹介した七子餅茶。その昔、娘が嫁入りする際に持たせる、嫁入り道具でした。
黒茶はワインと似ていて、保存がきく上に、時間が経つほど薬効が高まり、高価になります。
一家に娘が生まれると、その年の七子餅茶を買うのです。
娘が育ち、結婚するときには、すでに20年物に。
嫁入り道具として渡すことで、娘が病気になった時には飲んで病気を治し、
お金に困ったときには売ってお金にしなさい、という親心が込められていました。
とってもハートフル。そして理にかなっていますね!
黒茶の飲み方
基本的に中国茶は、飲み方のルールはなく自由です。
お好みの淹れ方で、お好みの濃さで楽しむのが一番!
ここでは一般的においしいとされている淹れ方や、
私が思う、より黒茶を楽しむためのポイントをご紹介します!
おいしい淹れ方
- お湯の温度は100℃
- 茶葉5g:湯150ml程度
- 茶器は紫砂の茶壺や磁器製の蓋碗
- お茶をしっかりと出し切る(最後の一滴まで)
私が思う、黒茶を楽しむためのワンポイント
紫砂の茶壺を育てて
紫砂で作られた茶壺は、粒子の細かい穴でそのお茶を吸っていきます。
何年も淹れ続けると、お湯を入れるだけでお茶が飲めるといわれるほど。
革製品と同じように、何年もかけて自分だけの茶壺を育てていくのです(養壺)。
茶壺で淹れるのに向いているのは、熱湯で淹れられて香りの強い、青茶や黒茶。
お茶を飲む楽しみと、茶壺を育てる楽しみで、2倍楽しめますよ!
ぜひ黒茶用に1つ紫砂の茶壺を用意してみてください♪
花茶と合わせて楽しんで
特徴が強く、何かと混ぜるイメージがわかない黒茶。
でも実は、バラや菊など、花茶との相性が抜群なんです!
菊と合わせると、清涼感がプラスされ、バラと合わせると、まろやかで華やかな香りになります。
黒茶が苦手な方も、花茶とブレンドすると特有の香りが抑えられて飲みやすくなりますよ!
ミルクティーやチャイもおすすめ
実は黒茶は、ミルクティーにしても、スパイスと煮詰めてチャイにしても、とっても美味しいんです!
私は豆乳派なのでいつも豆乳でソイミルクティーにしています。
シナモンやカルダモンなどのスパイスを加えて煮詰め、最後に豆乳を追加すればチャイに!
どちらも紅茶で作ったものよりもこっくりとした栗のような香りで、秋を想わせてくれます。
いつも通りストレートで飲んだ後に、ゆっくりお鍋で煮だすことで
余すことなく茶葉を楽しむことができます。お試しあれ♪
さいごに ~黒茶の魅力~
いかがでしたか?
個性が強いようで、実はアレンジのきく黒茶。
お茶好きが最後にたどり着くのが黒茶と言われているほど人気が高く、
健康を意識して毎日飲んでいる方も多いのだそう。
秋の涼しさがやってくる頃、熱々の黒茶が恋しくなります。
重陽節や十五夜は菊を浮かべて、カップの中にも夜空を感じてみてください♪
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