【中国茶】茶器について~道具の説明、選ぶポイント、初心者向け揃え方、茶器にまつわる話~

こんにちは!しょうこです^^

今回は、中国茶器について紹介します!

茶器にまつわる小話や、選ぶ時のコツ、何から揃えればいいか?など、わたしの経験も踏まえ書いていきたいと思います!

茶器の紹介

お茶を淹れる道具

蓋碗(がいわん)

お茶を淹れるための道具。急須の役割。
陶器、磁器、ガラスなど様々な材質の物があります。
オールマイティーにどんなお茶にも使え、抽出中の様子も見えるので初心者さんにオススメ。
中国の宮廷ドラマでよく見るように、蓋碗から直接飲んでもOK。
もし割れてしまっても、金継ぎして丁寧に使い続けられます。

磁器の蓋碗

茶壺(ちゃふう)

お茶を淹れるための道具。急須の役割。
陶器、磁器、ガラスなど様々な材質の物があります。
陶器の茶壺は保温性が高く、岩茶がんちゃ黒茶くろちゃを淹れるのに最適。
宜興ぎこう紫砂しさで作られた紫砂壺しさふうが最高級と言われています。
また良いものは気密性も高く、蓋の穴を指でふさぐと、傾けてもお湯が出なくなります!
(ストローの上を塞ぐと飲み物が閉じ込められる現象と同じ)

茶壺。手のひらサイズ。

茶海(ちゃかい)/ 公道杯(こうどうはい)

お茶の濃度や温度を均一にする器。
蓋碗や茶壺で淹れたお茶を一度茶海に注ぎ、茶杯に移していきます。
材質も形も様々。
使う蓋碗や茶壺と同じデザインのものを使うと、統一感が出ておしゃれ。
透明なガラスの物は、何にでも合います。
お茶の色を透かして見ることができるのでオススメ。

ガラスの茶海

お茶を楽しむ道具

茶杯(ちゃはい)/ 品茗杯(ひんめいはい)

お茶を飲むための器。
飲み口の薄さなど口当たりによって味の感じ方も変わるので、とても大事。
お猪口サイズの小さいものが多く、かわいいです♪
女性は手足が小さいほうが美しいとされていたため、茶杯を持つときは薬指と小指を下に隠すようにして持ちます。
また、日本ではもう片方の手を添えがちですが、「ぬるい」という意味にとられてしまう可能性があるので、片手で飲みましょう!

白磁の茶杯

聞香杯(もんこうはい)

お茶の香りを楽しむための器。
香りに特化した茶器だけあり、香りを一番楽しむことができます。
片手で握れるサイズで手なじみが良く、ずっと持っていたくなってしまいます♪
背の高い形の茶杯を使うことで代用することも可能。

左が聞香杯。右は茶杯。下が茶托。

茶托(ちゃたく)

茶杯や聞香杯を置くコースターのようなもの。
なくてもいいけど、あるとちゃんとしてる感が出ます。

茶葉を扱う道具

茶筒(ちゃづつ)

茶葉を保管する容器。茶缶。
お茶は周囲のにおいを吸う性質があるので、しっかり密封できるものを選びましょう。

茶荷(ちゃか)

使う分の茶葉を出す器。お客様に回して茶葉を見たり香りを楽しんでもらいます。

手前は竹製。奥は磁器製。

茶漏(ちゃろう)

茶壺などに茶葉を入れる時にこぼれないようにする道具。漏斗ろうと
後述する茶則、茶挟、茶匙、茶針、それらを入れておく道具立を1セットとし、六君子ろくくんしと呼ばれる。

左から、茶漏、茶則、茶挟、茶匙、茶針。

茶則(ちゃそく)

茶缶から茶葉をすくって出す道具。
鉄観音てっかんのんなど丸まった形状のお茶に最適です。

茶挟(ちゃきょう)

茶缶から茶葉を取り出す道具。
雲南金針うんなんきんしんなど細長い形状のお茶に最適です。
熱湯で温めた茶杯のお湯を捨てるのに使うこともあります。

茶匙(ちゃさじ)

茶缶から茶葉を取り出す道具。
茶荷から茶壺などに茶葉を移すときにも使います。

茶針(ちゃしん)

茶荷から茶壺などに茶葉を移す時に。
この道具の中では、茶針が一番使われている印象です。
茶壺の口に詰まった茶葉を取り除く時にも使えます。

六君子。

その他の茶道具

茶盤(ちゃばん)

茶壺や茶杯にお湯を注いだりかけたりする際にこぼれたお湯を受け止めるための箱状の台。
大きい分、サイズや材質、色によって茶席の印象が大きく異なります。
安いものはすぐにカビてしまったり、お湯が漏れてしまう場合もあるので、しっかり選びましょう。

茶盤

茶巾(ちゃきん)

茶杯の底を拭いたり、落ちた水滴を拭いたりします。

茶漉し(ちゃこし)

蓋碗などから茶海にお茶を移す際、細かい茶葉が入らないようにする道具。

茶器の小話

蓋碗は宇宙だ!蓋碗から学ぶ深い話

一組の蓋碗がいわんは一つの小宇宙を構成していると言われています。

その所以であり、先生に教えてもらった私の好きな話があります。

ふたは天、たくは地、わんは人を表している。

天は、タイミング
地は、環境
人は、その人の能力

すべてが揃うとうまくいく。

環境を整え、能力を高めていれば、タイミングが来たときに成功する。
だから、今成果が出ていなくても大丈夫。
コツコツ頑張っていれば、必ずそのタイミングが来る。

そういうお話です。
わたしが落ち込んだり、勇気を出せずに悩んだりしていた時に、お茶の先生がこの言葉をかけてくれました。

今は渦中でわからないけど、きっとそうなんだろうな。
信じてこのまま頑張っていこう!と、前向きになれたものです。

思い出すと心が温まります。

茶壺をそだてる話

茶壺ちゃふうは陶器、磁器、ガラスなど様々なタイプがありますが、その中で一番ポピュラーなのは陶器。

陶器の茶壺の楽しみは、時間をかけて育てること!
育てることを「養壺やんふう」と言います。

陶器の茶壺には、陶土の粒の大きさによって、目に見えない小さな隙間(気孔きこう)がたくさんあります。

この気孔の働きによって、茶水がクリアになったり、保温性が高まったり、空気の流動により茶葉が蒸れなかったりするのですが、気孔にはもう一つ重要な役割があります。

お茶や香りを吸っていくのです。
この吸う性質のおかげで、育てる楽しみができるわけです。

何度も淹れ、余ったお茶を外側にも注ぎ、柔らかい布で磨くと、ピカピカになっていきます。
こうして、自分だけの茶壺が出来上がっていくのです♪

基本的に味が混ざらないようにするため、1つの茶壺で1つのお茶だけを淹れます。

ここでいう”1つのお茶”の範囲は人それぞれ。

烏龍茶」だけを淹れる人もいれば、烏龍茶の中の「岩茶」だけを淹れる人も。
岩茶の中でも「近い香りの物」だけを淹れる人もいれば、1種類の「銘柄」だけを淹れる人もいます。

わたしは最後のタイプ。
手持ちの茶壺では、「大紅袍だいこうほう」しか淹れていません。

何年、何十年と同じお茶を淹れ続けると、お湯を注ぐだけでそのお茶が飲めるようになるそう!
まだ2年くらいですが、すでに私の茶壺も、お湯を注ぐとうっすら茶色くなって出てきます!
これからもっと育っていくのが楽しみです♪

何から揃えればいい?

よくいただく質問です。

「中国茶に興味を持ちました!どの道具から用意すればいいですか?」

これに対しての回答は、「気になるものから用意してみてください」というのが正直なところ。

中国茶は喫茶の文化が色濃く、とっても自由なので決まりはないのです!
お茶をどう楽しんでいきたいかによって変わってきます。

正解はないですが、こんなに気軽に楽しめるよーってことから、しっかり揃えるところまで、ご紹介しますね!
参考になると幸いです♪

何も増やさない

日常にお茶を取り入れたい!お茶を飲んでゆっくりする時間を作りたい!という方。
何も買い足さなくても、楽しむことができるんです!

例えば、マグカップや耐熱グラスに茶葉を入れ、お湯を注ぎ足しながら飲んでも十分美味しいです。
わたしが会社に勤めていた時は、水筒やボトルに茶葉だけ入れていき、職場でお湯を注ぎ足しながら飲んでいました!

この場合のポイントは、できるだけ良い茶葉を選ぶことです。
なぜかというと、良い茶葉ほど長く飲めるからです。
長く飲めるというのは、味が出続けるのもありますが、同時に渋味やえぐみ、青味が出ないということです。
買うときは少し高く感じても、結果コスパが良くなるので、ぜひ美味しく飲めるものを選んでみてください♪

最小限のセットを揃えてみる

最小限で中国茶気分を味わいたい!という方にオススメするのは、磁器の蓋碗がいわん茶杯ちゃはいです。
もう1ついけそうであれば、透明なガラスの茶海ちゃかいもあると便利◎

磁器の蓋碗であれば、お茶の種類を選ばずオールマイティーに楽しめます。

茶器の選び方としては、もちろんこちらも気に入ったものを選ぶのが一番です。
ただ、よりお茶を楽しみたいと思う場合には、蓋碗も茶杯も、内側が真っ白なものを選ぶのがオススメ!
お茶の色を楽しめますし、濃さの判断もしやすいです。

茶杯は飲み口が薄いものの方が、より繊細に味を感じれておいしく飲めます。

また、ガラスの茶海は、明かりにかざしてキラキラと輝くお茶の色や、白茶はくちゃなどの産毛を確認できる点でオススメです!

その次に買い足すなら

最小限のセットが揃っているなら、ここからはもう好きなものを買い足していくといいと思います!笑

  • 違う茶器で淹れてみたいなら茶壺ちゃふう
  • 中国茶の世界感を一気に出すなら茶盤ちゃばん
  • ちょい足ししていくなら、茶針ちゃしん茶荷ちゃか
  • お友達と一緒に飲む場合には茶托ちゃたく

このように、どのように楽しむかによって、少しずつ足していってみてください♪

いかがでしたか?

今回は中国茶器についてご紹介しました。
細かいものを含めるとまだまだあるのですが、定番の道具はこれでばっちりです!

興味を持っていただいた方は、ぜひご自身のペースでお茶を取り入れてみてください♪

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