【中国茶】茶葉を見ればすべてがわかる!~葉底(茶殻)を観察してみよう~

こんにちは!しょうこです^^

中国語で、飲んだ後の茶殻のことを「葉底ようてい」と言います。
葉底にはそのお茶に関する多くの情報が詰まっており、「葉底を見ればお茶のすべてがわかる」と言われるほど。

中国茶を買う時は、試飲するだけでなく茶葉も見せてもらうのが基本なんです!

では実際に、葉底からどんなことがわかるのか見ていきましょう~!

発酵度

まず、葉底を見ると、そのお茶の発酵度がわかります。

ちなみに、お茶の種類は発酵度によって分けられるので、

「これは緑茶かな」
「これは発酵が進んでるから紅茶だ」

と、大まかに判断することができるんです!(参考:お茶の分類方法

では、どうやって発酵度がわかるのでしょうか?

それは、茶葉の「色」です。
酸化酵素の働きで発酵すると、その部分が赤くなっていきます。

写真の2枚の茶葉を見てみてください。
この茶色っぽい部分が、発酵しているということになります。

少し発酵しているので、青茶烏龍茶)だということがわかります!

発酵度別に茶葉を並べてみるとわかりやすいですね!

左から緑茶、発酵度の低い青茶、発酵度の高い青茶(岩茶がんちゃ)です。

かわいらしい新芽のお茶でも、はっきり色が変わります!

右から緑茶、白茶、紅茶です。

このように、葉底の緑と茶色の割合をみるだけで、だいたい見分けがつきます◎

さらに、「白茶は産毛が多い」「紅茶は強い力で揉む工程がある」など各分類の特徴を考慮したり、飲み慣れると、もっと正確に何茶か判断できるようになります!

品質の良さ

手摘みor機械摘み

機械で一気に刈り取ってしまえば大量に生産ができますが、その分葉の断面積がまちまちで発酵の管理ができません。
おいしい成分が抜けてしまいますし、茎なども混ざります。

人の手で摘まれたものは、おいしい葉だけが選ばれていますし、職人技でしっかり発酵度が管理されているので、品質も高いと言えます。
木を傷つけないので、お茶にも優しいです。

見分け方は簡単。
葉の根元で摘み取られているか、葉が途中でばっさり切れているかです!

青茶や紅茶のように製茶の工程で揉まれるものは、途中でちぎれてしまうこともあります。

機械で摘まれたものは、さらに細かく粉砕してティーバッグのお茶になることが多いです。

摘まれた時期

その茶葉が摘まれた時期もわかります!

この写真の左側はしっかり育った葉っぱ、右側はまだ開く前の新芽です。

新芽ということは、春の早い段階で摘まれていることがわかりますね!
葉っぱということは、芽から葉に成長してから摘まれたということがわかります。

また、少し虫食いの跡があったり、葉っぱが比較的分厚いものは、夏以降に摘まれていることが多いです。

摘まれた時期によって、品質が変わります。
好みで選ぶのが一番ではありますが、中国では春摘みの新芽のお茶が高級茶とされます。

理由は様々ありますが、新芽のお茶は香り高く、味も繊細で甘みがあり、栄養価が高いのです。
芽吹きのエネルギーも一緒にいただくイメージでしょうか。
あとは単純に、1枚1枚が小さく、摘める期間も限られているため希少価値が高くなります。

“〇月〇日までに摘まれたお茶だけがそのお茶を名乗れる”というような厳しいルールがあったりもします!

この写真はその厳しいお茶のひとつ。
龍井ろんじん」という緑茶です。

厳しい基準をクリアしている中でも、さらにランクが大きくわけられます。
左の方が若い芽を使用しているので高級になります。

なんと、価格は5倍!!

でも、香りだけで違いが明らかなんです…!
抹茶のお菓子かと思うくらい、甘い香り。
ティーサロンで出すと皆さん驚かれるので、本当です!笑

葉のクオリティ

葉の色が鮮やかでツヤがあり、きれいな見た目をしているものは、だいたいおいしいです!

逆に葉の色がくすんでいたり、葉が硬いものもあります。
品種の違いや発酵の影響、製茶工程にもよるので一概にNGとは言えませんが、慣れると少し区別がつくようになってきます。

例えばこの写真。
上段は龍井という緑茶で、下段は鉄観音てっかんのんという青茶です。
どちらも、左側の方が品質が高いです。
(右側もかなり良いものなので、区別が難しいかもしれません。。)

次の2枚の写真は、製茶過程で丁寧に作られているかどうかがわかります。
どちらも、左側がちぎれている個所が多いですね。
右側の方がより丁寧に作られており、品質が高いということになります。

どちらも青茶。右側が発酵度が高いので茶色い部分が多い。
どちらも緑茶。左側はちぎれていたり、くすみが見られる。

種類

品種

お茶はすべてツバキ科の「カメリア・シネンシス」の葉ですが、その中に品種があります。
お米のようなイメージです。

品種によって少しずつ特徴が異なります。
葉が大きいもの、小さいもの、分厚いもの、薄いもの、滑らかなもの、ざらざらなものなど様々です。

芽の段階でも、品種によって大きさや形が少し違いますね!

その茶葉を見て触るだけでそれがどの品種かを当てるのはさすがに難しいですが、特徴を捉えることはできます。

例えば。
鉄観音てっかんのん」というお茶は茶葉が分厚くごわごわしており、特徴が強い品種です。
その鉄観音と、「黄金桂おうごんけい」という品種を掛け合わせた、両者の中間くらいの品種がいくつかあります。
鉄観音と黄金桂の子供たちと思ってください。

鉄観音
黄金桂

子供の一人、「黄観音きかんのん」という品種に、もう一度黄金桂を掛け合わせたものが「黄玫瑰きまいかい」という品種です。

黄玫瑰

この黄玫瑰は、比べてみるとしっかり鉄観音と黄金桂の特徴が受け継がれています!(味も香りも、茶葉の手触りも!)
2回掛け合わされている分、少し黄金桂寄りなのがおもしろいです。

たまたまこの3種類を持っていたので、紹介しました。

その他の特徴(害虫被害にあった葉を使うお茶!?)

実は、害虫被害にあった葉を使うお茶があるんです!
それがこの「東方美人とうほうびじん茶」。

台湾のお土産として有名なので、飲んだことのある方も多いのではないでしょうか?
東方美人茶は、マスカットのような香りが特徴の華やかな青茶です。

このマスカットの香りは、普通の茶葉では出すことができません。
“ウンカ”という虫に、汁を吸われた葉のみを使用します。

写真をアップにすると、吸われた痕が見えると思います。

もちろん、お茶には虫は付いていないですし、害はありませんよ!
被害にあった葉が、”ファイトアレキシン”という抗体のようなものを出し、その成分が特有の香りと甘みになってくれるのです。

ウンカの力を借りるお茶は、東方美人茶の他にも、蜜香紅茶など、いくつかあります。
この痕を見つけたら、特有のマスカットのような香りがあるとわかりますね♪

おいしく飲める頃合い

一般的に茶葉がヨレている間は飲み頃で、ピーンと開くと「もう出ません」の合図と言われています。
でも持続力が強い種類もありますし、濃い薄いは好みもあるので、あくまで目安として。

わたしの経験則でいうと、同じ茶葉の量でどのくらい飲めるかは値段と比例します。
4~5gの茶葉で2~3リットル飲めるものも!

茶葉が開いていく経過。鉄観音。

数日前、同じお茶を極限まで飲んでみるチャレンジをしました。
途中から薄いと感じなくなり、瞑想のような心満たされる不思議な感覚でした。

薄い=おいしくないとは限らない!
その時のレポはこちらです。ぜひ読んでみて下さい!

いかがでしたか?

今回は、葉底からわかることでした。
たくさんの情報が詰まっていましたね!

こだわって作られたお茶を飲むと、茶葉を通して、生産者さんの想いも伝わってきます。

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