こんにちは!笙子( ▶ プロフィールはこちら )です^^
お茶は中国から世界中に伝わり、それぞれの地で独自のお茶文化を発展させてきました。
どうやって伝わっていったのか、世界ではどんな飲み方をするのか、ご紹介していきます♪
中国・台湾での伝わり方
【中国国内】お茶の起源は雲南省
お茶の起源は中国南西部の雲南省。
そこから四川省に伝わり、黄河や長江周辺の地域に広がっていきました。
四川省は、初めて人工的に茶樹を栽培した「蒙山」のある地域として有名です。
蒙山で作られるお茶は、総じて「蒙頂茶」と呼ばれ、今でも特別な存在です。
【台湾】福建省から台湾へ
1796年に柯朝という商人が福建省の武夷山から茶樹を台湾に伝え、台湾北部での栽培が始まりました。
福建省といえば青茶の大生産地。
そのため、台湾では青茶の生産が盛んなのです。
台湾北部からはじまり、徐々に南部に広がっていきました。
世界への伝わり方
紀元前に雲南省からはじまったお茶は、1600年頃から世界中に広がっていきます。
当時の中国の貿易中心地は、南東部海岸沿いの広東省と福建省で
この2拠点から、陸路、海路2つのルートで世界各国へ伝わっていきました。
日本は緑茶、イギリスは紅茶のイメージがありませんか?
また、お茶は大きく分けると「CHA(チャ)」と「TEA(ティー)」2種類の呼び方がありますよね?
これらは、伝わり方によって決まりました。
それぞれどのように伝わったのでしょうか!
【陸路】アジアや中東へ
日本、インド、トルコなど、中国から近い地域には陸路で伝わりました。
厳密に言うと日本は船で伝わっていますが、世界規模で見ればほぼ陸路ということで!
陸路のスタート地点は広東省。
広東省ではお茶を「CHA(チャ)」と呼んでいたので、そのまま伝わっています。
日本は漢字もそのまま「茶」、インドは「チャイ」と言いますよね。
中東やトルコには、シルクロードを渡って伝わりました。
また、日本やモンゴルなどの近い地域には、緑茶が定着しました。
現在も当時も、中国では緑茶が最も飲まれています。
緑茶は発酵させないため、鮮度が大切。
近いところにしか輸出ができませんでした。
そのため、近い地域には定番の緑茶が伝わったのです。
【海路】ヨーロッパやアメリカへ
マレーシアやヨーロッパ各国には海路で伝わりました。
海路のスタート地点は福建省。
福建省の港町である厦門の方言では、お茶を「TAY(テー)」と呼んでいました。
それがそのまま伝わり、英語でお茶は「ティー」、フランスなどでは「テ」、マレー語では「テー」と言います。
なお、ヨーロッパでポルトガルのみ「チャ」と発音します。
当時広東省のマカオを統治していたためです。
ヨーロッパに最初に伝わったのは、紅茶の王様である正山小種でした。
なぜ紅茶かというと、運搬環境に最も適していたからです。
当時は炎天下のなか、湿度が高い海上を何ヶ月もかけて渡っていました。
その環境では、発酵が最も進んでいる紅茶でないと耐えられなかったんですね。(参考:お茶の発酵度について)
イギリスの紅茶で有名なアールグレイは、正山小種の独特の薫香を目指して作られたと言われています。
ちなみに、現在、紅茶の生産地といえばインドやスリランカのイメージがありますよね?
これはその後の国家間の関係性により、イギリスが植民地であるインドとスリランカを紅茶の産地として設定したことによります。
お茶は世界中で需要が高く、歴史的にもとても大きな存在なのです。
世界のお茶文化
中国/台湾のお茶文化
中国では、日本と同じように生活にお茶が根付いています。
日本で日常的に緑茶や麦茶を飲むように、中国でもお茶を飲みますし、茶道のように伝統文化としてたしなむこともあります。
ただ異なる点としては、茶道のような決まった作法や流派はありません。
先にお湯で茶器を温めるなど、お茶を美味しく入れるための共通の手順はありますが、作法としての決まり事はなく、自由においしく楽しむのが中国茶の特徴です。
中国にはお茶屋さんがたくさんあり、積極的に試飲をさせてくれます。
また、茶館と呼ばれる、お茶を飲む時間を楽しむための場所があります。
茶館は喫茶店のような気軽なところから、紹介制の高級店まで様々。
こだわりの空間で、茶芸師が丁寧に淹れてくれるとっておきのお茶を飲みながら、それぞれが思い思いの時間を過ごします。
また、タピオカミルクティーやチーズティーのように、新感覚のお茶ドリンクもたくさん開発されています。
様々なかたちで生活に根付いています。
日本のお茶文化
日本はご存知の通り、食事のときに煎茶を淹れたり、ペットボトルでいつでも手に入ったり、飲食店で無料で出てきたりと、生活に根付いていますね。
茶道のように確立された文化があり、たしなむ人も多いです。
イギリスのお茶文化
イギリスをはじめとしたヨーロッパは紅茶が主流です。
インドやスリランカで作られる紅茶はカテキンが比較的多く含まれているため、ミルクや砂糖を入れて飲むのに向いています。
様々な味や香りをつけたフレーバーティーもたくさん作られていますね。
アフタヌーンティーとして、午後のティータイムを楽しみます。
また、最近では中国の白茶が大ブームとなっており、紅茶に迫る勢いで人気が出ています。
モンゴルのお茶文化
遊牧民の多いモンゴルでは、野菜の代わりにお茶を飲みます。
遊牧民族の中では、「1日お茶がないと胃が止まる。3日お茶がないと人は死ぬ」ということわざがあるくらい、お茶は必要不可欠なものなのです。
飲み方は日本と似ていて、抹茶にバターを溶かして泡立てます。
以前参加したモンゴル宮廷茶会がとてもおもしろかったので、レポを書きました。
ぜひご覧ください。
インドのお茶文化
インドは、ミルクティーにスパイスを加えたチャイが有名ですね!
入れるスパイスによって健康効果が変わるのもおもしろいところ。
少し意外ですが、漢方もスパイスと同じものや似たものがあるので、漢方でもできちゃいます。
スパイスの女王と言われる「カルダモン」を入れると、一気にチャイ感が出ますよ!
黒茶(プーアル茶)でも、おいしいチャイができます!
私はよく、黒茶と適当な量のスパイスを濃いめに煮出し、豆乳を加えたチャイを作って飲んでいます。
ロシアのお茶文化
ロシアでは、フルーツジャムやはちみつを舐めながらお茶を飲みます。
寒い地域はとにかくエネルギー源が必要なので、甘いジャムと一緒に楽しむのでしょう。
日本のロシア料理店では、紅茶にいちごジャムを溶かして出てくることが多いですね。
ジャムの甘みには、インドやスリランカ産のカテキン多めの紅茶が合いますよ♪
少し脱線しますが、ロシアの有名な窯元である「インペリアル・ポーセリン」のティーカップがかわいくてオススメです!
さいごに
いかがでしたか?
お茶の広がり方と、各国で根付いたお茶文化についてご紹介しました。
歴史をみると、なぜ現在の様になったのか理由がわかり、とてもおもしろいですね。
お茶は世界中で親しまれているので、ぜひ様々な飲み方で楽しんでみてくださいね♪
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